「若者言葉」の新語誕生と変化

こんばんは、夜ゼミ2年の竹内です。最近髪をバッサリ切ったことでよく心配されますが、成人式が終わったからです。特に何もありません、元気です。

私は、以前から若者言葉に興味があり、卒論も若者言葉に関係したテーマで進めていきたいと思っています。そこで今回は、永瀬治朗(2002)「若者言葉」の新語誕生と変化」という論文を要約しました。以下要約です。

筆者は1988年から2年ごとに専修大学生田キャンパスで話されている若者言葉の収集と造語の研究を行ってきた。また、これと平行し、若者言葉が全国的にどのように使用されているのかという疑問のもと、1994年は大学に限り、1997年は大学生、高校生、中学生と調査対象を広げ、全国キャンパス言葉調査を行った。この調査結果の一部として「とても」と「うっとうしい」を比較し、3年間の変化を報告している。

【1994年調査(大学生)「とても」】
変種が多く、中でも全国的に一番広がりを持つ語は「チョー」と「ムチャクチャ」、「バリ」の3語である。また、その他の語形はほとんどが孤例であることから、この時点では「とても」の若者言葉の全国共通語は「チョー」である、と述べている。

【1997年調査(大学生)「とても」】
94年と比較して変種が半分に減少した。また、今回初めて「ゴッツ」、「メチャ」、「メチャメチャ」、「ムチャ」が出現したため、3年間で発生し、定着したものとみられる。さらにこの3年間で「ムチャクチャ」が消滅し、「ムチャ」が誕生したことから、「メチャクチャ」は消滅し、「メチャ」へと変化することが予想できる、と主張している。

【1994年調査(大学生)「うっとうしい」】
この年では「ウザッタイ」が中部、関東、東北と九州、「ウットイ」が近畿や中国、四国で定着している。「ウザイ」は「ウットイ」の周辺に分布するが、出現数はまだ少ないことから、次第に「ウットイ」から「ウザイ」に変化していくことが予想できる、と述べている。

【1997年調査(大学生)「うっとうしい」】
「ウザッタイ(テー)」、「ウザイ(ゼー)」、「ウットイ」の3語が定着している。94年と比較して「ウザッタイ」から「ウザイ」への変化が多くなり、さらに「ウザイ」の方がより多く使用されていることから、今後は「ウザイ」が全国的に使用されるようになるだろう。
そして、以上のように3年間の「うっとうしい」の変化を踏まえると、94年では「ウットーシー」から「ウットイ」に、97年では「ウットイ」は関西で使用され、「ウザッタイ」から変化した「ウザイ」が全国的に広まりつつある。そのため、「ウットーシー」→「ウザッタイ」→「ウザイ」に変化していったと推定できると結論づけている。

今回の調査を受けて、この3年間で誕生した語形と消滅した語形があり、変化の過程であるということがわかったが、3年間でこれほど激しく変化するということは意外であった。これらの若者言葉は新方言というよりも流行語と位置付けた方がよいのかもしれない。
また、マスメディアの発達、電子メールや携帯電話などの普及が背景にあるため、このような変化現象が可能になっているのだろう。
今後はこの2つの調査の比較研究を行い、語の誕生と消滅や変化過程を推定していきたい、と筆者はまとめている。

この論文の面白い点は分布図を用いている点です。そうすることで、語形が変化していく過程がより明らかになり、わかりやすいです。また、筆者の推定も大まか納得できるものであると考えられます。
しかし、筆者がまとめで「若者言葉は新方言というよりも流行語と位置付けた方がよいのかもしれない」と論じている点に関しては疑問が生じます。流行語のように消えていく語もありますが、長く存在し続ける語も少なくないからです。
ところで、筆者はこの調査が一部であると前置きしています。次の論文も読んで、筆者の見解を知りたいです。

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