新語・流行語分析:Google Trendsを利用して

 こんにちは!夜ゼミ2年の山本です。最近バイト以外はほとんど家から出ていないので、ネット通販ばかりに手を出してしまいます、、、買うのは楽しいけど、結局遊びに行けないから着ていける場所が限られてるの泣いた!!そんな中、今回は以下の論文についての要約をしました。

別司大典(2006)「新語・流行語分析:Google Trendsを利用して」

『金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習』第11巻29号、pp.29-46

 この論文では、どのような要素を持つ語が新語・流行語となるのかを調査するため、Google Trendsで得られた傾向を基に分類し、各分類がどのような要素から成立しているのかを考察している。Google Trendsとは、ある特定の語がGoogleで検索された語の総体と比較し、どの程度の量があるのかをグラフ化・数値化できるサイトだ。その語が最も使用された時点を100とし、他の期間の使用数を相対的に表したグラフが表示される。

調査方法

 期間は2004年1月1日から検索を行った当日までとし、調査対象は「現代用語の基礎知識選ユーキャン新語・流行語大賞」の2011年から2015年の各年度トップテンの50語から、検索時のエラー発生などの問題から8語を除外し、計42語をGoogle Trendsにて検索にかけ、調査期間はその流行語が受賞した年としている。

調査結果

 調査結果をまとめると、以下の3つの特徴のように分類できる。

 筆者はこれらの1、2、3をそれぞれ「山型」、「波型」、「その他」と表記し、傾向別に代表例を用いながら考察している。また1、2、3の全てにおいて、グラフ上で大きな山ができている時期には、世間で人々の興味を引く何か大きな出来事や事件が起きていると推測している。例えば、以下の「山型」の考察で用いている「ドローン」では、二つの大きな山ができていることが分かるが、最初の山は4月19日から4月22日に表れており、これは4月22日に起きた首相官邸にドローンが落下した事件の時期と重なる。

1.「山型」

 上図のように、「山型」には大きな検索量の増加が起きる以前には全く行われていない、あるいはごく僅かにしか検索されていないという傾向が見られた。つまり、これに分類される語の多くは、誕生して間もない新語(「なでしこジャパン」など)、あるいは専門的である等の理由で世間に浸透していない語(「iPS細胞」など)であると考察している。

2.「波型」

 上図は2013年に受賞した「ブラック企業」のグラフであるが、このような「波型」では受賞前の年からある一定の検索量を確保していることが分かる。つまり、受賞年度以前にもある程度浸透していた語と捉えることができ、新語・流行語二つの要素から見た場合、流行語としての要素が強いと考察している。

3.「その他」

 その他」に属する語については、「スマホ」を基に考察している。受賞年の2011年以降も検索量は増加し続け、その語も80~100辺りの高い数値を保持している。このことから、2011年頃からスマートフォンが普及し、人々が「スマホ」という言葉をより高い頻度で使用していることから、これに分類されるのはその語が社会の中で広く普及されているという背景があると考察している。

 この論文を読んで、上記のデータに加え、Google Trendsを用いて各新語・流行語の受賞年度以前にその言葉がどれほど検索されていたかも調べており、「山型」、「波型」、「その他」の違いを明確化するための研究は、自分の考察の説得力が更に高める点においても有効的であると感じた。「その他」は新語・流行語の要素から見た場合の考察がなされていなかったので、その要素から考察してもいいのかなと思った。

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