若者語の使用率に関わる要因

こんにちは!夜ゼミ2年の山本です。いよいよ最後の論文レポートです、、、ここまで来るの長かった~( ;∀;)今となっては達成感です!さて、今回は以下の論文についてです。

フレヤ マン(2017)「若者語の使用率に関わる要因」

『日本語・日本文化研修プログラム研修レポート集』32期pp.31-46

この論文は、若者語の定着化と非定着化の説明原理がどのようなものかを、以下の調査データから考察している。

①米川・重田が1992年と1994年に行った若者語の使用についての調査。90年代の若者語から抽出された50語に対し、自身の個人的な使用を以下の5段階評価させた(対象は大阪在住の大学1~4年生、計300名)。

 A:よく使う

 B:ときどき使う

 C:知っている、または聞いたことがあるが使わない

 D:意味がわからない、または聞いたことがないので使わない

 E:以前に使っていたが今は使わない

②2017年6月から8月にかけて、①と同様の50語に対し5段階評価をさせ、さらに「もしもこの言葉をあまり使わないのなら、同じ意味を表すためにどのような表現を使いますか」という質問と、調査対象者がよく使ったり、聞いたりする若者語を書くように求めた。

①若者のライフスタイルとの関連性や必要性

まず、カーナビゲーションの略語「ナビ」は、94年に使用率が33.9%であったのに対し、2017年には100%まで増加している。これは時代が進んだと同時にテクノロジーが発達し必要性が高まったと考察している。また、卒業アルバムの略語「卒アル」(18.4%~96.4%)も、卒業アルバムを貰う習慣は若者の生活に定着してきたとともに「卒アル」の使用率が増えた。さらに、2017年の調査での「インスタ」(インスタグラムの略語)や「スノる」(『スノー』というアプリで撮影すること)のようなソーシャルメディアに関連する表現からも、若者語使用の影響には若者のライフスタイルとの関連性や社会的な変化があると述べている。

 

②継続的な使いやすさ

次に筆者は、土壇場でキャンセルするの略語である「ドタキャン」(24.6%~98.8%)や、クリスマスパーティーの略語「クリパ」(17.3%~57.8%)、自己中心の俗語「自己中」(76.1%~96.4%)などから、若者のライフスタイルとの関連性だけでなく、縮約語の形成も言葉の使いやすさに影響し、若者語の使用率や定着性を高めていると述べている。

③新たな代替表現の表出

 一方で、ある若者語と同様の意味を表す他の語が出現することで、その若者語が保持されない可能性もある。例えば、「過去ヤン」は「元ヤン」が使われるようになった結果、2017年には使用率が0%まで減少し、90年代の流行語であった「コンパ」も2017年に使用頻度が90.3%まで上がった「合コン」に移行している。このことから、既に存在する若者語の代替表現も、新たな若者語の使用率に影響していると考察している。

④社会的なトレンドの流れ

 最後に、一時的に注目を浴びなくなった若者語がまた流行ってゆく可能性について言及している。例としては「お茶する」を挙げ、92年から94年の間に使用率が10.9%下がった一方で2017年には28.5%上昇している。これは92年から94年の減少傾向の原因は不明だが、2017年にかけて何らかの理由により人気が復活しているために生じたと述べている。そのほかにも、「ぶっちする」と「バッチグー」を挙げており、どちらも二年間で使用率が大幅に減少したが、2017年までにそれぞれ7.9%、1.4%と増加している。

以上のことから、筆者は若者語の増減・定着化に影響する要因は次のとおりであると考察している。

  1. 若者のライフスタイルとの関連性や必要性
  2. 継続的な使いやすさ
  3. 新たな代替表現の表出
  4. 社会的なトレンドの流れ

 

 この論文を読んで、若者語の増減や定着化への要因として四つ挙げているが、最後の要因について考察しているところは他の要因よりも当てはまる若者語の用例が少なく、根拠が弱いように感じた。「社会的なトレンド」という要因でより一層説得力を増して結論付けるためには、その頃に社会的なニュースや出来事があったのかも関連付けて考察するなどして、筆者も述べているように更に研究する必要性があると思った。