実用日本語語彙から見た多義語

 こんにちは。昼ゼミ3グループの板垣美実子です。私は部活(バスケ部)のシーズンが終わり長期オフに入りました。シーズン中はかなり身体に負担をかけてきていたので最近は軽く体を動かす程度で調整期間として体調管理をしています。もう少ししたら、次の大会に向け身体づくりに取り組もうと思います。

 さて今日は以下の論文をレポートにします。

西原一幸(2009)「実用日本語語彙から見た多義語」

  この論文では、多義語について取り上げられています。多義語とは「意味的に関連づけられている2つ以上の意味を持つ語」であり、辞書では2つ以上の意味が記載されているものです。著者は(1)「きく」を例にして、どこまでを同一語の別儀とみるのか、同音の異義語とみるのか判断が難しいと述べています。

 (1)    (三省堂国語辞典)「聴く」と「聞く」を区別している

(清水国語辞典)「聴く」と「聞く」を区別せず2者を同一語とみている

このように判断が異なる場合があるとわかりました。

そこで著者は『清水国語辞典』から多義語の実態を分析し、数値として以下5つの解答を求めました。

①    最も多義である語はどの語か。

「とる(取る)」…手に持つ、船のかじをとる、消す など

 →28の語義を区分している。

②    実用日本語語彙全体において多義語、単義語の占める割合はどのくらいか。

多義語 14,301語(28%)

単義語 36,948語(72%)   合計51,249語

③    多義と品詞との関係はどうなっているのか。

(2)    失敬…[名][形動][自サ]人に対して敬意を欠くこと。失礼。

   [名][自サ]別れること。

   [名][他サ]他人の物を黙って自分のものにすること。

(2)では同一語形の品詞が変化することがわかりました。

④    語種別(和語、漢語、混種語、外来語)に見たとき最も多義である語種はどれか。

和語が多義語となる比率が最も大きい…外来語の1.9倍、混種語の1.4倍

著者はこの分析によって実用日本語語彙の多義語の主役は和語だといっても過言でないと確信し、その考察として、和語というものは本来その語の指し示す意味範囲が広く、反対に漢語は指し示す範囲が狭い。和語に多義語が多いのはそのことに関係があるだろうと述べています。

この論文で多義語は和語が多いとはっきりと数値に出ました。しかしこれは辞典によって出された結果であるため、私がテーマにしている仙台方言の特徴としてどうなのかはまだ明確ではありません。しかし触れたかった多義語については詳しくわかったので仙台方言「だから」が今回読んだ論文に関連しているのか調べ進めていきたいと思います。

 参考文献

清水国語辞典