文末で使われる「ケド」について

こんにちは。夜ゼミ二年の松蔭です。先日ワクチン二回目を摂取し終わってなんとか一安心しました。副作用でかなり体調を崩すとのことでしたが、熱は出たもののそこまでひどい症状は出ず良かったです。

 今回は次の論文について要約しました。

成田 麻衣子(2004)「現代語における文末表現の分析 : 「ケド」で終わる文を中心に」『昭和女子大学大学院日本語教育研究紀要』2巻p83-89

 この論文では「ケド」という文末表現の機能を分析し、話し手のどのような思いで「ケド」で終わる発話がなされているのか、また「ケド」で対談を終わらせることが聞き手にどのような影響を与えるのかを考察している。

 調査方法としてはい2002年2月から8月までの間に放送された41種のトーク番組において見られた「ケド」で終わる表現の機能、またその時の話し手の気持ちと聞き手の反応について分析した。

「ケド」で終わることによる機能発話数
①自分の意見・情報、または相手と違う意見を柔らげて表現する機能48
②その後の判断を相手に任せ、話者の交代を促す機能24
③先行の文で話し手自身が言ったことを補正する機能23
④話し手の謙虚さを示す機能19
⑤不確かな情報を表現・確認する機能12
⑥許可を求める機能4
「ケド」に含まれる話し手の気持ち発話数
①聞き手に対する話し手の遠慮41
②話し手の発言により聞き手が誤った判断をしないようにという気持ち26
③言葉には表れていない話し手の隠れた気持ち23
④自分の発言に対して自身のない気持ち17
⑤質問に対する答えとしてこれでよいのかという気持ち13
⑥相手に同意してもらいたいという気持ち10
「ケド」が表れた後の聞き手の反応発話数
①相手の意見や説明を理解したことを示す52
②相手の発言に同意する26
③相手の発言を理解し、気遣いをみせる21
④相手の意見に同意できないという態度を示す13
⑤相手の発言を理解した上で、次の話題にうつる11
⑥相手の発言に同意した上で、次の話題にうつる2
⑦相手の発言を理解していないことを示す2

 「ケド」の機能とそこに含まれる気持ち、また聞き手の反応には大きな関係があると言える。同時に、一つの機能に必ずしも気持ちが一つしかないわけではなく、この表現が使われることにより聞き手が話し手の気持ちを気遣いながら発話するように「ケド」という表現にあ聞き手の理解の過程で大きな役割を果たしていることが分かった。

 自分の意見

 「ケド」という言葉を自分はほとんど無意識に使用しているため、気持ちという点で考えるとなかなか分析が難しいのではないかと感じました。また、調査対象を増やすとより正確なデータが取れたのではないかと考えました。