「ときたら」の提題表現について

こんにちは。夜ゼミの田中です。

今回紹介するのは香坂みゆきの『ニュアンスしましょ』です。この曲はシンガーソングライターの町あかりさんのカバーで知りました。資生堂のCMもとてもいいので見てください。

以下の論文を要約しました。

岩男孝哲「最近の若者ときたら…ー話者の思考と属性叙述」『月刊言語』10月号pp.52-59

要点

「ときたら」の意味は引用→連想→提題の順に拡張してきた。

元々条件表現であった「ときたら」が提題表現へと変化したのは、①提題文の観念性と②仮定性が要因である。

少し詳しく

引用→連想

出来事間の依存関係ではなく、話者の思考が前件と後件をつなぐ意味合いが引用以上に強くなっており、前件と後件の関係がより主体的な関係へと変化している。

連想→提題

前件と後件の関係が同格から属性所有者(主題)と属性といった関係へと変化している。

  • 提題文の観念性

属性を述べる提題文とは話者が思考した主題と属性の関係を述べる表現であり、その特徴(観念性)が条件表現→提題表現への意味拡張につながる。

  • 提題文の仮定性

条件文の仮定性は話者が知覚したことではなく、思考した・構築した関係を述べている。それは「ときたら」にも一致している。この仮定性は引用・連想よりも強まった形で提題に表れている。

感想

意味拡張の順序づけが簡潔にまとまっていて参考になった。