最近の歌謡曲のタイトルに見る命名

 こんばんは。昼ゼミ2年・名原です。今日はバイト先の職域接種に行ってきたのですが、

会場が有名なビルの中にある本社でびっくりしました。オフィスに滝がありました!

 

こちらは

伊藤雅光(2012)「最近の歌謡曲のタイトルに見る命名」『日本語学』第31巻第1号、pp.30-42、明治書院

の論文レポートです。

 

研究の目的

歌謡曲タイトルの命名はどのように変遷したのか分析する

 

方法1

 タイトルを語種判定して分類し、1960年以降のデータを10年単位で比較

(年代ごとの統計で比較するのは方法1~3で共通。)

 この研究では「タイトル種」という概念を用いて、

「和語タイトル」「漢語タイトル」「外来語タイトル」「混種語タイトル」「外国語タイトル」に分類する。

 

結果

・1960年から1980年までは和語と混種語のタイトルが大半

・2000年以降は外国語タイトルが大半

・混種語タイトルは1960年を最高にそれ以降は下降

→1960年から1980年までは「和語・混種語タイトルの時代」、

 2000年以降は「外国語タイトルの時代」ということができる。

(この転換が起きた時期は1990年)

 

方法2

外国語と日本語の品詞ごとの変遷で比較

 

結果

・外国語タイトルは時代が進むにつれて名詞以外の品詞の度数が増加

・日本語タイトルは時代が進むにつれて名詞以外の副詞と感動詞の度数が増加

→名詞が減少する点で共通している。名詞レトリックの陳腐化か?

 

方法3

日本語タイトルを品詞ごとの変遷で比較

 

結果

・動詞タイトルは1960年代から2000代にかけて高い数値からほぼ増減がない

→1960年には既に安定していた?

・形容詞タイトルは1960年代に6例あったが減少

・形容動詞タイトルは各年代で常に少ない

形容詞と形容動詞はレトリックとしての魅力に欠けるのではないか?

 

感想

 この研究では「タイトル種」という概念を用いた分類がされていました。分類方法は研究の説得力に大きく影響すると思うので、その一例として参考になりました。タイトル種を用いたことで、「和語・混種タイトルの時代」がちょうど1990年ごろに「外国語タイトルの時代」に転換したという面白い結果が出たので、これは効果的な分類だったと思います。

 

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