「たら」と「ば」

こんにちは。夜ゼミの田中です。

先日行ったクリープハイプのライブがとっても良かったのでそれに関連して今日はYUKIの『百日紅』を紹介します(作曲がクリープハイプの尾崎さん)。まだかろうじて咲いていてくれていますね。あの濃いピンクの花に似合う素敵な曲です。酔。是非聞いてみてください。

以下の論文を要約しました。

前田直子(2008)「もっと時間があったら、時間さえあれば…-条件の「たら」と「ば」」『月刊言語』10月号pp.28-35

要点

条件表現の「たら」と「ば」は、用法的にはほぼ重なる。しかし、①多回的な場合は「ば」、一回的・事実的な場合は「たら」が多い ②仮定的用法に見られる主節のモダリティ制約を巡る問題 ③「さえ」との共起 といった違いが見られる。

少し詳しく

①多回的な場合→「水は百度になれば、沸騰する」

一回的な場合→「ボタンを押したら水が出た」

②主節末が命令文など聞き手に働きかけるもので、前件・後件の動作主体が同一だと「ば」は不適切。しかし、条件説の述語が状態性だと「ば」でもOK

「欲しければ自分で買え」

③「~さえしたら」よりも「~さえすれば」の方が共起率は高い。

「ば」は「~さえすれば良い」という評価モダリティの用法で多く現れるが、「たら」二はそれがない。

感想

「ば」は「たら」に比べて、一般的・恒常的な必然的因果関係を表すとまとめているが、①の事実的な場合は「たら」が多いことに矛盾しているのではないかと思った。

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