「属性表現」をめぐって—ツンデレ表現と役割語との相違点を中心に—

こんばんは。昼ゼミの田久保です。

旬ということで梨を食べました。梨は千葉の特産で、私の通っていた高校の横は梨園でした。とても美味しいので、どうか千葉の梨をよろしくお願いします。

さて、今回は次の論文を要約しました。

西田隆政(2010)「「属性表現」をめぐって—ツンデレ表現と役割語との相違点を中心に—」『甲南女子大学研究紀要. 文学・文化編』第46巻 pp.1-11 甲南女子大学

要点

「ツンデレ」を表す、人物の部分的属性を表す言語表現を「属性語」とし、人物の全体を表す「役割語」との共通点と相違点を比較し、この2つが同一の基盤を持った区別できない連続のものであると主張している。この2つの中間的存在として「メイド」がメイド喫茶などで使用する言葉があるとしている。

「属性語」が持つ特徴

〈役割語と共通〉①特定の言語表現が特定の人物像を想起させる ②現実の言い方とは一致しない/現実にこの表現が受け入れられない

〈役割語と異なる〉③表現が示す人物像は部分的な属性である(性格など) ④現実世界に存在の裏付けがない

〈属性語にしかない〉⑤キャラクターに破綻が見られる(一貫性がない) ⑥その属性が社会的な地位や職業として認知されれば役割語になる可能性がある

「役割語」と「属性語」の連続性

役割語はその人物像全体が想像でき、属性語は部分的な人物像のみを想起させるという程度の違いはあるものの、役割語と属性語には上記の①②の特徴が共通するため、同じ基盤上にあるもので、はっきり区別できないと思われる。この2つの中間的存在が、現在段々とその職業が認知され始めている「メイド」が使用する表現である。この中間的存在が見られることからも、両者には連続性があり、「属性語」は「役割語」の一段階手前のものと思われる

〈自分の考え〉

メイドが使う表現を「役割語」と「属性語」の中間的存在だとしているが、そもそもこれが「属性語」であったのか疑問に思った。メイドがヴァーチャルな存在からリアルな職業への変わったというのは納得できるが、もともとアニメや漫画に登場していたときにもこの表現が表すのは「メイド」という職業であり、性格など部分的な人物像ではないのではないか。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です