発話末の「みたいな」の表現方法

こんにちは。最近は就活で、今まであまり使用しなかった地下鉄、丸ノ内線などに乗るのですが、丸の内線から銀座線の乗り換えでいつも迷い、上手く乗り換えが出来なく苦労しています。また、部活では今週から6時開始になって、今までより30分起きるのが早くなり本気でインカレ優勝に向けて活動し始めた水泳部の3年古瀬です。

さて、話は変わりますが、以下、読んだ論文について簡潔に報告したいと思います。

星野祐子 「人間文化創成科学論」『コミュニケーションストラテジーとしての引用表現―発話末の「みたいな」の表現方法―』第11巻2008 133‐142

引用機能を持つ発話末の一つとして「みたいな」に注目し、話し言葉に特徴的な引用マーカーであり、若年層の会話にみられるものとされる、大学生の話し合いの場面を用い、「みたいな」を発話末におく発話が円滑なコミュニケーションを保つためにも役立つことを示している。

① 発話末の「みたいな」に導かれる内容例

(1)内容がもともと「話し手」に属する場合
Y「個性あふれる教授」
 K「ちがう、だからこれは
 Y「うん。」
 K「キャッチコピーの下でしょ、したっていうかさ、だから紹介することの」
 Y「ああ、うん」
 K「一番大本がこれで」
 Y「うん。で、その次にこう枝葉としてみたいな」

ここでは、Kが試みた第一の説明としてとらえられるが、Yの理解度が低くかったので新たな説明を試みるにあたって「みたいな」を補足的に用いた。

(2)内容がもともと「聞き手」に属する場合
S「初心者用【学科名】」
 Y「初心者用【学科名】?」「できないよ」
 S「そっちで攻めるならなんか、単位取りやすいとか。入ってもそんなそんな厳しいことありませんよみたいな」
 Y「なるほどね~」

ここでは、「みたいな」が括る範囲を相手の意識を伺うことのできる発話の音調的特徴から「入ってもそんな厳しいことありませんよ」というのみ限定した。あたかも眼前にいるような発話スタイルを採ることで、考案すべき内容のサンプルを直感的に理解できるようになった。

(3)内容がもともと「第3者」に属する場合
C「【キャッチコピー】」
 T「【だってボン】ボンってやった後にビデオが流れるとしたらは?」
 C「ああいいかも」
 T「ちょっと見てみようかなみたいな」

ここでは、キャッチコピーの後に大学紹介のビデオが流れると想定した上で評価し、実際に見るであろう受験生の立場になって評価を与えることで「みたいな」が現れている。

このように引用マーカーである以上、「みたいな」は、話し手・聞き手・第3者の誰の発話を引いてもよく、話し手は「みたいな」を用いて、現発話にいろいろな人の声を取り入れることが出来、引用部分の再現性、適切性はそれほど問われないことより、想定場面における架空の発言を導きやすく発話を活性化させるためにも「みたいな」は効果的に使用されることが推察される。課題解決場面に関して言えば、「みたいな」に導かれた発話は、聞き手に具体的な場面を想起させ、自分の意見をわかりやすく説明して、聞き手を納得させうるものとしても捉えることが出来る。

今後、研究するにあたって必要なのは、多数の例文集めに限ると思うので、そこを徹底してやっていきたい。